a1.Japan Beauty:太陽と女神の国で

sn.a1.修論「おわりに」:古事記神話の天石屋戸開き「咲(わらひ)」

site up 20210131日

修論題目:古事記神話の研究―天石屋戸開き「咲(わらひ)」を中心に―

修論の「はじめに」「おわりに」を、サイトアップします。改行などは、サイト用に、整えました。

「天石屋戸開き」は「天の岩戸開き」のことで、古事記中の表記です。

また「咲」は、「笑」の古語で、古くは「咲」が「笑」の表記に用いられていました。論文に扱った、「瑜伽(=ヨガ)」を説く、高野山の仏経典もそのように記されています。

Spring_OneVoiceの、Springスマイルのポーズは、花をお顔に、両の手を花に、見立てたもので、高野山で舞踊の先生にも、その例でよく舞踊の指導をされました。知ってか、偶然か、ですが、

「花咲く」の「咲」が「笑」というのは、素敵だなと、思います。

20210131日②sn.a1.修論おわりに

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おわりに

 冒頭に揚げたA.ミラーの著書名でもある「魂の殺人」は、日本では性暴力被害者を指して言われている。私自身も当事者であり、博士前期課程の在学中には、約一一〇年振りの性犯罪・刑法改正の運動、性暴力根絶を訴えるフラワーデモを地元・三重で立ち上げるなどの活動が重なった。


大戦の暗い歴史を、癒されないままある、記紀に向かい合うのは怖くもあったが、最高神が女神であり、性の描写が大らかであることは、性暴力・性犯罪・刑法改正の難しい問題に向かい合う支えにもなっている。

20210131日②sn.a1.修論おわりに

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「元始女性は太陽である」と『青鞜』で訴えた平塚雷鳥の言葉を糸口に、天照大御神の学びが始まったが、その以前に、性被害、殊にトラウマの救いようがなくいた中で、天川神社や戸隠山、四国遍路や高野山の信仰が、私自身の支えであり、またよすがでもあった。

しかし、すがりの信仰は、生育期に愛着形成の関係性が、十分に育まれなかった不安定さ故であり、安全・信頼の関係性とは異なる。

信仰・宗教のみならず、人間関係で大事なのはこの「安全・信頼の関係性」である。安全・信頼の関係性は、自らの内に形成されるものであるが、人との関わりなくしては、形成されない。

天石屋戸神話には、この愛着形成の不十分さによる不安定な二神と、傷付きのあり様、内省、個と集団の関係性の回復が、描写されている。

20210131日②sn.a1.修論おわりに

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このように、神話、或いは文学・芸術作品に、癒しの糧になる、共感・同調される、人間の心理が求められながらも、その心理を科学的に説明するものが、得られずにいた。

言葉を解析し、他の様々な分野に求めても、心を説明する典拠が見付けられなかった。

しかし、トラウマ治療で求め得た、ポリヴェーガル理論の身体心理学の解釈が、心を身体から科学的に説明してくれた。

そして、その理論は、日本・東洋古来の伝統・文化に相通するものでもあった。日本への導入は、これからである。

20210131日②sn.a1.修論おわりに

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フラワーデモは、伊勢の近所に性被害者の自死者がいたことがきっかけであった。

性被害者の自死者は何人目かであるが、神宮参詣の道の方で、ここで向き合わなければ、神が許さないと思った。

その「繋がり」は、伊勢・三重の市町から全国・海外と連携されてある。

20210131日②sn.a1.修論おわりに

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昨秋は、刑法改正の仲間と性被害実態調査のアンケート調査を行い、その結果を、衆議院院内集会で公表され、内閣大臣と法務省に提出された。私もアンケート作成に携わり、冒頭三分の発表をした。

アンケート作成では、傷付きを負っている当事者に、負担のないよう、協力を呼び掛けるメッセージを、法務省検討委員で臨床心理士の仲間と考えた。

二百も集まれば多いと言われる性被害の回答に、六千近い回答を得られた。

「繋ぐ」言葉、分かち合う「言葉」の重みが、命の重みであることを思われた。そして、自身の研究が、その「繋がり」を支えるものであることを、実感された。

20210131日②sn.a1.修論おわりに

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安全・信頼の関係性と、個と集団との繋がりが、人間の回復なのである。

天石屋戸開きの神話は、「切り離される」という傷付きから、個と集団の繋がりの回復過程が、天照大御神や八百万の神々を通して、表現されている。

その安全・信頼の関係性を繋ぐものが「咲(わらひ)」なのである。

20210131日②sn.a1.修論おわりに

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*本文中のアンケート回答数の比較は、オンライン配信の山本潤さんのお話を参考にしました。

*メッセージは【主旨と投稿ルールbyゆき花】に同意とします*